2016年12月4日日曜日

人間は変化する生き物だ | マインドセット 「やればできる!」の研究

むかし、友達がいた。
その人はとても繊細で、四六時中、自分のことばかりを考えているような人だった。

あまりにも人の気持ちを考えない発言をすると感じたので、僕はそのことを指摘したことがあった。
そうすると彼の返答は「そうだね。僕は人の気持ちを考えられない人間みたいだ」というものだった。

だけど今では、そうじゃないことが分かる。
人間は「人の気持ちを考えられるタイプ」と「考えられないタイプ」に分類されるのではなくて、今までに人の気持ちを考えてきたか、考えてこなかったか。その経験の差があるだけだ。
人間は変化できる。だから今からでも「人の気持ちを考えられる人」になることはできる。
ただしそのプロセスは自動的には怒らない。日常でコツコツと訓練を続ける必要はある。

また別の話で。他にも、また別の知り合いに「人間は変わらない」という強い信念を持った人がいた。
ドラマを見たり、世間のニュースを見聞きしたりしては「やっぱり、人間は変わらないでしょ」と納得を深めているのだった。
だが、世界の見方は人様々だ。
「人間は変わらない」という信念によって世界を見渡せば「変わらない人間の、変わらない部分」だけがフォーカスして見えてくるだろう。
だが「人間は変わる」という信念によって生きれば「どのような人間でも、変化し続けていること」に気付くことだろう。

これは人間が「自分の信念に基づいて情報収集をする」という脳の働きのせいだ。
こうやって人間は自分の信念を強化してゆく。

たとえば君自身のことを振り返ってみて、10年前とまったく同じ考え方をしているだろうか?
君の周囲の人。家族や知り合いに、ここ10年でまったく変化は無かっただろうか。
信念、雰囲気、考え方、行動に1%のブレもなく、変わらないままだっただろうか。
断言しても良いが、10年間もまったく同じ考え方でいることのほうが、変化することより1万倍も難しい。というよりも、それは人間に不可能なことだ。

僕の周囲を見渡しても、皆がひとりずつ成長しており、微妙な変化を繰り返している。
結婚、出産、死別、家族構成の変化、趣味の変化、仕事の変化、ライフスタイルの変化も、人間自身に変化を与える。

もちろん、変化した部分をすべて度外視して、変化しなかった部分にフォーカスして「あの人は変わっていない」と主張することはできるだろう。
だがたとえば、変化していない1個の要素の周囲には、変化している3個の要素が存在するかもしれない。
そして「変化していない」ように思える要素であっても、1回1回の反応を取り出してみれば、ひとつとして全く同じものはない。
すべての事象は、たとえ表面的には全く変わらないように思えても、微妙なマイナーチェンジを繰り返している。ただ、僕たちがそれに気づいていないだけだ。
なぜなら僕たちは無意識に「物事は変わらないはずだ」という信念に基づいて生きているからだ。

人間はいつでも「変わること」を「始めること」ができるし、むしろ変わらざるをえない。
実は1秒ごとにさえ微妙な変化を繰り返している。(この考え方も、信念の一種だろうが)
そしてどうせ変化するのならば、自ら舵をとって、良い方向に変化した方がハッピーな人生が送れるはずだ。

年齢も関係ない。年齢はあくまでも「頑固になりやすい傾向」と相関関係にあるだけだ。
たとえばの話。年をとると傾向として筋肉量は落ちてくるだろうが、筋力トレーニングを続ければアスリート並みの肉体を作ることもできるだろう。
(「ボディビルダー 最高齢」で検索してみる?)
心もそれと同じである。「頑固さ」の皮を1枚ずつ剥がしていく。固定観念を剥ぎ取っていく作業によって「変化しやすい状態」に戻ることができる。

マインドセットをしなやかに保つ。
この考え方を教えてくれたのは「マインドセット」という名前の本だった。




ちなみに日本では「GRIT やり抜く力」がロングセラーになっているみたいだが、Amazon.com ではこの「マインドセット」のレビュー数は群を抜いていて、2000件近くのレビューがついている。しかも評価は4.5。
自分自身もこれが本当に重要な書だと感じていたが、実際に世間的にもそうなのだと分かった。






全人類必読の書ではないか、ぐらいに思っている。

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